食道がんの予防

食道がんの推計患者数(99年)は約2万3000人ですが、男性約1万9000人、女性約4000人で、男性が圧倒的に多いのが特徴です。60歳を過ぎると急増する特徴がありますが、どういう食生活に多いかなど、リスク要因がよく分かっていない謎の多いがんです。

食道がん患者の多くは喫煙と飲酒の習慣があり、60代、50代、70代の順に多く発症しています。原因の一つに、たばこの煙の中の発がん物質が考えられ、喫煙にアルコールが加わるとさらにリスクは高まります。日本酒を1日2.5合、1日25本のたばこを40年間吸った人は、酒、喫煙なしの人に比べ、食道がんのリスクは約50倍も高かったという調査もあります。

予防のポイントは、たばこをやめて、酒は日本酒なら1日1合程度にすることでしょう。
このほか、極端に熱いものや辛い刺激物も食道の粘膜を傷めて、がんの発生につながりやすいと考えられています。食生活では、活性酸素を抑える緑黄色野菜などをしっかり食べるよう心掛け、牛乳は食道の粘膜を保護するので、飲んだ方がいいでしょう。
最近は、胃と食道が同じ内視鏡で検査できるようになり、早期ならかなりの割合で内視鏡を使って治療できるようです。中高年で飲酒と喫煙の習慣がある人は、内視鏡検診が早期発見の方法です。