サメ軟骨

新生血管抑制作用

がん細胞は一定の大きさになると、近くの血管から自分専用の血管を引いて、栄養や酸素を補給して成長していきます。
がん細胞専用の血管は螺旋状に渦巻いていて、血液を引き込みやすくできています。
したがって、がんに冒されるとがんに栄養を独り占めされてしまい、急激に衰弱して死に至ります。

「血管の新生」とはもともとある血管から新しい血管をつくることですが、これを抑制するということはすなわち、がん細胞に新しい血管をつくらせない、ということに他なりません。
がん細胞の栄養供給路を断ち切り、兵糧攻めにしてがん細胞の増殖を防ぐ働きを「新生血管抑制作用」といいます。

サメ軟骨の作用

新生血管抑制作用は、軟骨の研究によって発見されました。
サメは発がん物質のプールの中に入れてもがんになりません。
その秘密はサメの軟骨にあります。
サメには、他の動物のような骨格はなく、あるのは軟骨だけです。
この軟骨には血管が一本もありません。
サメの軟骨には、新しい血管の形成を阻止する物質が含まれていて、そのため、がん細胞が増殖できず、がんにならないのです。
この物質を含むサメの軟骨を利用すればがん細胞に栄養を送る血管の新生を防げるのではないかと考えて、がんの末期患者に投与したところ、驚くほど顕著な改善例がみられたのです。

医学界では一般的に、化学式で構築できない物質を嫌う傾向があり、どんなに効果があるとしても、健康食品には懐疑的です。
ところが、アメリカ食品医薬品局(FDA)は10年前に、治療試験薬として許可をしています。
健康食品としては異例のことです。

サメ軟骨の効果

サメ軟骨は、特に乳がん、肝臓がん、脳腫瘍、食道がんなど、腫瘍が新生血管を引き込んで増殖していくがんに効果的です。
また、抗炎症作用が知られています。
関節炎やリウマチなどの症状緩和にも効果的です。
強力な鎮痛効果も知られています。

正常細胞はすでに自分の補給路を確保していますので、血管新生抑制作用はがん細胞の部分にだけ作用します。
また、副作用がありませんので、安心して利用できます。

サメ軟骨の特性

サメの軟骨は、乾燥させたものを粉末や錠剤にして販売されています。
ただ難点があります。
目安となる摂取量が多くて飲みづらいことです。
最近は濃縮タイプのものが登場していますが、高価です。
それでも、世界的には治療目的での引き合いが多く、原料のサメが激減して問題となっているほどです。

サメ軟骨以外では、大豆を原料にした新生血管抑制作用の機能性食品も登場しています。
サメ軟骨に匹敵する成果の研究報告も続々と報告されていて、サメ軟骨に変わる食品として注目されています。