肝がんの予防
がんの死因で、肺がん、胃がんに次いで多いのが肝がんです。厚生労働省によると、死亡者はこの25年で3倍に増え、昨年の死亡者数は約3万4000人です。肝がんの発生には、B型やC型など肝炎ウイルスが深くかかわっていて、日本では、肝がん患者の約8割がC型肝炎ウイルスに感染しているといわれます。C型肝炎ウイルスの感染者は全国で150万人前後と推定されています。C型肝炎は、たんぱく質の一種のインターフェロン療法や新薬の開発が進んでいます。
B型肝炎ウイルスの場合、慢性肝炎になるケースのほとんどは母子感染で、出産時、産道を通じて子どもに感染することがわかっています。現在は、ワクチンを投与する措置などで母子感染が防げるようになってきています。
ウイルスを持った人が発症しないためには、安静を保つこと、肝臓の血流や代謝を助けること。たとえば食後は少し横になるとか、半身浴などを心がけることが大切です。
週2日はお酒を飲まない「休肝日」をつくるなど、肝臓への負担を少なくすることも大切な予防策です。
肝臓には主として、発がん物質を抑える含硫化合物、つまり硫黄を含むものがいいといわれます。具体的にはニンニク、タマネギです。実際に肝炎の治療薬の成分には、これらのエキスが使われているそうです。また活性酸素を抑えるブロッコリーなどの緑黄色野菜や、肝細胞の代謝をよくするタウリンを含むシジミやホタテなどの貝類、コンブなどの海藻類もがん抑制の働きがあります。
つまるところは、バランスのいい食事と適度な運動、そして休養が基本となるようです。