GCP~サメ軟骨との比較

大豆イソフラボンの抗腫瘍効果

大豆抽出物のイソフラボンには、配糖体とアグリコンという2つの構造があります。
多くの大豆加工食品にはイソフラボンが含まれていて、とりわけ味噌には、がん予防効果があることが日本癌学会でも報告されています。
しかし、イソフラボンに配糖体がついている構造のため、生体で吸収されにくく、抗腫瘍効果を得るためには、大量摂取が必要になります。
そこで、特殊な技術でキノコの担子菌とイソフラボンを混合培養して配糖体を切り離し、生体に吸収されやすいアグリコンに変換した抗腫瘍物質「GCP」が注目されています。
GCPの主体は、ゲスティニンと呼ばれる有効成分で、さまざまな機能が報告されており、抗腫瘍、新生血管抑制作用、高脂血症、心疾患などに有効とされています。

GCPの作用

GCPは極めて医薬品に近い作用を示すことから、米コロンビア大学、UCLAデービス校、ニュージーランドのオタゴ大学が研究を進めてきました。
コロンビア大学では、健康食品としての臨床試験を前立腺ガン患者20数名で実施しており、腫瘍マーカーの変動調査をおこなっています。

AHCCが免疫賦活作用をメインとするのに対し、GCPはガン新生血管抑制作用を柱とする抗腫瘍効果と、担子菌培養による免疫賦活作用を併せ持つことに大きな特徴があります。
動物による実験データでは、AHCCとGCPの併用により、抗腫瘍効果が相乗的に増強されることもわかっています。

婦人科系のガンや前立腺ガンなどのホルモンに影響される腫瘍や、肺ガン、更年期障害などの有効例が報告されています。

サメ軟骨との比較

「新生血管抑制作用」というと、サメの軟骨がその代名詞のようによく知られています。
ただし、サメ軟骨は、効果を期待するためには大量摂取が必要であることと、その独特の香りのため、非常に飲みづらいところが難点です。
(最近は、この点を改良した濃縮サメ軟骨製剤が開発されています。しかし、特殊な技術でつくられるため、大変高価になりがちです)

GCPの新生血管抑制効果は、1日2gで確認できます。
従来の粉末サメ軟骨製剤の1日の目安量が20~40g、液体サメ軟骨製剤が7cc以上とされていますので、量だけで比較すると、粉末サメ軟骨の10~20倍、液体サメ軟骨の約3倍も効率がよいといえます。

GCPは、サメの軟骨に比べるときわめて少量の摂取で同等の効果が期待でき、さらに免疫賦活作用も期待できる食品成分であるため、開発以来多くの機関で繰り返し基礎・臨床研究が行われています。